『公園でのドラマ』4(最終回) by John


そんな関係になってからしばらく経った日、ごく最近の出来事だ。
彼女はこの複雑な関係があまり良くないと思い、2人でしっかり話をしようとバイトの後、会うことにした。
その日は台風がちょうど上陸しているまっただ中だった。にも関わらず、こっちは雲だけが広がり、雨は静かに引いていた。

待ち合わせ場所に彼女を待つ。待って約5分いつもより大人びたように見える彼女の姿見えてくる。何気ない会話をしながら2人で公園に向かっていく。

この場所を決めたのは僕だ。どうしてもこの公園で思いを伝えたいと、そう決めていた。
そしてようやく公園に着く。こいできた自転車を置き、手をつなぎ、広い公園を一週、二週しながら自分のことを話していく。今思えばそうやって2人で会うのはその日が2回目だった。

公園を2週したところで、彼女を公園のど真ん中の芝生へと連れて行く。
辺りは夜空に浮かぶ木々ばかり。世界で2人きりの気分だ。彼女と向かい合わせになって気持ちを大声でぶつける。「俺は!!世界中の誰より!!世界中の何より!!キミを愛しています!!だから!!だから・・・。」しばらくの沈黙。言葉が思うようにでない。「だから、俺と一緒に居て欲しい。今抱えてるものはたくさんあるけど、今は俺を信じてついてきてほしい。」

上出来の言葉だった。その他は何も要らなかった。再びしばらくの沈黙。彼女は微笑みながらゆっくり語る。「ありがとうございます。そういう風に思ってくれて凄く嬉しいです。でも・・・。」やはりきた。その瞬間自分の表情が変わっていくのが分かった。彼女の瞳を見れなくなってしまった。無情にも彼女は続ける。「でも、やっぱり私には彼氏が居て、確かに彼氏はあまり普段構ってくれなかったりして寂しい思いとかもしますけど、やっぱり私も彼のことが好きで付き合ったので、別れることとか考えられなくて・・・。彼氏がいるのに、男の人の家に泊まることは間違いかも知れないですけど、あの日のことは全く後悔してないし、凄く先輩のこと好きになれました。凄く恋をしました。ありがとうございます。」
彼女は彼を取りたいと言っていたのだろうが、じぶんには全くそんな風に聞こえなかった。『ごめんなさい』の言葉が彼女の口だら出なかったからだ。

いつもの自分ならここで引いていた。けれど、っどうしても引いてはいけないと思う自分が居た。
ゆっくり口を開く。「俺たちってさぁ、出会ってまだ2週間足らずだけど、その間凄く愛し合ったりしたよね。それって単純に俺にとって居心地が良くて、絶対手放したくないって思うのね。どっちかに気持ちがないならしょうがないけど、今回は違うじゃん。お互いに気持ちがあるのに、どうしてここで終わらなきゃいけないのかなって・・・。それってやっぱおかしい。まだ俺らって始まってもいないのに、ここで終わるのは、やっぱ、おかしい。俺凄く変なこと言うけど、単純に傍に居たいだけ。一緒に居て俺のこと絶対好きんなってもらう自信あるし、必要不可欠な存在になると思う。だから、今は2番目でも良いから俺のことみてて欲しい。キミのそばに居させて欲しい。」

しばらくの沈黙。彼女は相変わらず僕を見ながら静かに微笑む。
しばらく沈黙が続き、彼女はついに口を開く。彼女が抱えていること、彼氏を取りたい理由、そういったことを打ち明けてくれた。話していくにつれて彼女の辛そうな表情が見えてくる。
もう言葉はいらない。気がついた時には彼女を抱きしめていた。

いくつも恋愛を重ねてきた人たちならきっと計算でこういったことができるのかも知れないが、その時の僕の行為はごくごく自然な事だった。なんのためらいもなく、静かに彼女を抱きながら言う。「キミはそんな子じゃないよ。まだ出会ってわずかだけど、それだけは分かる。人を好きになるってことは他人がどうこうできることじゃないし、格好付けることでもない。キミが辛い時は傍にいるし、寂しい時は隣に居るし、泣きたい時は胸を貸す。好きってそれだけで良いと思う。世間では凄く否定されることかも知れないけど、本当の好きってそうゆうこと。だからお互いに素直になろう。」始めは一方的な抱擁も気づいたら彼女からもゆっくり腕を回していた。

言葉は要らない。2人は静かに口づけをする。それがしばらく続く。言葉は要らない。彼女が幸せで埋まっていくのが感じられた。言葉は要らない。彼女は静かに僕の言ったことに納得していた。

良くドラマなどで見られる風景がそこには描かれていた。
つい最近の出来事だった。本当につい最近の出来事。


そして現在、彼女はまだ悩み続けているだろう。おそらく、最終的に彼女は彼氏をとるだろう。だけど、そんなことは僕には関係のないこと。彼女が寂しい時には僕が居る。それに変わりはない。
肩書きは要らない。ただ、彼女の傍に居たい。
今は常にそう思っている。誰かを好きになるということはきっとそういうこと。僕は僕の恋愛をこなしていく。


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